midday crow
両親にも連絡を取らないのになぜ紅羽には電話をかけてくるのかというと、紅羽が彼の両親に密告しないとわかっているからである。

そういうところが腹立たしくもあるので言ってやろうかとも思うが、やはり自分は多分言わない。

「おまえ、よく私の番号覚えてたな」

安全のため、光輝という個人名は出さずに進める。

どこで誰が聞いているか、わかったものじゃない。

『家出るときにメモってきたんでー』

明るい口調で言いやがって、と紅羽はぐっと拳を握る。

「捜索願出されてるの、さすがにわかってるよね? なんで捕まらないの」

『俺ってばてーんーさーいー』
< 70 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop