midday crow
『だめだぜー。頼むよ、紅羽ちゃん。あいつらをよろしく』

「光輝、待って。あそこはおまえの居場所でしょ?」

『いいや』

きっぱりと、断じる口調で光輝が言う。

『いいや。──おまえにあげるよ。紅羽』

「光輝」

『任せた。それじゃあよろしく、また一ヶ月後。多分そろそろ切れ──』

ブツッ、と光輝の声が中途半端に切れた。

時間切れ、ということだろう。公衆電話なのだから。
< 74 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop