midday crow
力が抜けて、強ばっていた自分の顔が緩んだのがわかった。

「でも、一つだけ約束してほしい」

「え。……なに?」

「いつになってもいいから、その話、紅羽ちゃんから直接してあげて」

二人に、と言う彩人の考えがよくわからない。

「えっと、どうして?」

「黙って消えるつもりなんでしょ?」

図星を指されて押し黙る。

同時になにか、引っかかるものがあった。

黙って消える、それは──。
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