midday crow
「俺はね、割りと淡白なの」

いきなり話が彩人本人のことになり、紅羽は戸惑って聞くしかない。

「でも二人は違う。情に厚い。焔は冷徹に見られることが多いけどね」

「それはわかる」

相槌を打つと彩人が紅羽の顔をまじまじと見てきたので、知ったかぶりな発言をしてしまったかと焦った。

「そうだよね。わかるよね」

紅羽の内心とは違って、そんなふうに彩人は同意する。

「一ヶ月、ずっと同じ部室で、音を合わせてきたんだからね」
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