midday crow
「……うん」

「俺はほんとに冷たいから、紅羽ちゃんが消えても、そこまで傷つかない。でもあいつらはさ……」

ここで逆接がくるということは、傷つく、と言いたいのだろうか。

「でも、まだたった一ヶ月……」

「紅羽ちゃんが去る頃には、一年になってるかもしれない」

「…………」

それもそうだ。あのバカがいつ帰ってくるか。

「それに一ヶ月でも、わかりあうには十分だよ」

背がそこまで高くない彩人の視線は、紅羽のほんの少し上くらいだ。
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