midday crow
そんなふうにならないために、必死で距離を取ってきたつもりだったのに。

「俺たちは音楽で話をしてるんだ」

彩人の言葉が、紅羽の頭の中にあったガラスを割ったように思えた。

物理的にとか、精神的に距離を置けばいいものじゃなかった。

一緒に演奏するだけ、それだけで自分をさらけ出すものだった。

同時に、三人も──。

趣味や特技なんてものは知らない。

そんなものはどうでもいいのだ。
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