midday crow
それはすべて、この一ヶ月で起きたことである。

「太陽は日常生活から歌詞を考えるタイプだから。全部詰め込もうとして、上手くいかなくて道筋が見えなくなってるんじゃないかな?」

「……なるほど」

さすがの分析だ、太陽の状況を、もしかしたら本人より的確に理解しているのではなかろうか。

「うーん……。演奏だけなら合わせられるんだろうけど、太陽くんは歌詞完成しないと、ギターも手につかないだろうなあ」

「そだねー。紅羽ちゃんさ」

スティックを回しながら彩人は上目遣いで紅羽を見上げる。

「太陽のこと、なんとかしてくれない?」
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