そして少女は兵器を討つ
けれど、

「違う」

気に入らなかった。

「私はスカーレットじゃない。ミリアリア。血溜まりの子猫じゃない。ミリアリア。小さな死神じゃない。ミリアリア。私は、ミリアリア」

否定の言葉を、

「はっは、そうかいそうかい」

男が受け止めた様子は、なかった。

その銃口が、

「それじゃあ残念だけどね。人の認識とお前の主張は同一じゃない」

男の、こめかみに添えられた。

「それを、よーく覚えとくんだね。スカーレット」





ガンッ。





一度の轟音を最後に、男の体は傾いた。

力の抜けた、ゴムのような手足が、床を打つ。

男の顔は、最後まで自嘲に笑んでいた。

気に入らない、笑み。

「スカーレットじゃない」

最後まで、私は彼と相反した。

「私は、ミリアリア」
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