そして少女は兵器を討つ
迎えに来てくれたお祖父様のヘリの中で、私は黒いファイルを開いていた。

横から、お祖父様が覗き込んでくる。

「熱心だね、ミリアリア」

その、枯れ木のようでありながら頼りがいのありそうな手で、お祖父様はステッキの頭を撫でている。

知っている。ステッキの頭を撫でるのは、手持ちぶさたな時――私に、構ってもらいたい時だ。

だから顔をあげる。お祖父様のためなら、私はいつでも時間を割く。

「できるだけ、多く」

と、言った。

「多く、救いたい。私にできるなら、悪い人から、誰かを」

さっき私が壊滅させたのは、人身販売をしている組織だった。

親や、身寄りのない子供を捕らえ、売るらしい。

売られた子供がどうなるのか、お祖父様に教わった。

玩具として、大人になぶられるか、五体を引き裂かれてしまうか、臓物を抜き取られるか、狂った嗜好品として扱われるか……

およそ自由とは呼べない末路を辿ることになるらしい。
< 14 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop