そして少女は兵器を討つ
落ち着ける笑顔をもらってから、今日で恐らく一月ほど。

私は、ひどいことをする人間の集まり――組織を、お祖父様にピックアップしてもらい、それを壊滅させ続けている。

私は善いことをする。しなければ。私にできる、善いことを。なさなければ。そう、知識が急き立てる。

だから、手にしたブラックファイルの情報を、知識に収容する。

「ミリアリア……」

と、お祖父様が呼んだ。私の手に、お祖父様のそれを重ねてくる。

顔をあげると、お祖父様の灰水色の瞳が、また憂えていた。

彼の向こう、窓に映る私の瞳は、対照的に、紅い。

「ミリアリア……そんなにがんばらずともよいのだよ」

と。

「お前がなぜ、急にアンチマフィアを始めたのか、私にはわからぬよ。もちろん、これはお前が訊ねた通り、善行だとも。けれどね、ミリアリア……」
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