そして少女は兵器を討つ
一度、顔が伏せられる。

いくつものいくつもの言葉を頭の中で浮沈させているのが、何度か開きかけた口の動きで、わかった。

お祖父様は、なにか、過去を思い出している? そんな予想を、知識が作り出していた。

彼が言う。

「ミリアリア、お前の行いは善いことだ。お前の言う多くを救う活動を、たしかにしているよ。しかしだね、私はお前にもうこんなことはやめてもらいたい。ミリアリア、もう繰り返さずともいいんだ」

それは……果たして、私に言われた言葉だろうか。本能が、小首をかしげた。

お祖父様の目は、今私を見ている。けれど、その脳内に映っているのは、本当に『ミリアリア』だろうか。

わかっている。もう覚えた。

これを疑念というのだ。

本能は、お祖父様が、私とミリアリアを照らし合わせていると、疑っているんだ。
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