そして少女は兵器を討つ
疑心を、解消したい。それが、アンチマフィアをやめられない理由の、半分。

知識を手繰れば、私の善行は実は、自己満足と偽善と言うのかもしれない。当然。なぜなら、目的があるのだから。

お祖父様……私はいなくなりません。だから、私の行いを認めて許してください。

その言葉は、胸の中だけで。これも覚えた。秘密、というのだ。

私は秘密と疑心を隠して、答える。

「お祖父様、私は、善いことをしたい。やらせてください」

彼は数秒、固まった。やがて、ゆっくりうなずいてくれる。

「わかった……お前の自由におし、ミリアリア。でも忘れないでおくれ。私はお前がそばにいてくれるだけでいいのだからね」

「はい、お祖父様」

手が、離れた。

「それで、次のターゲットはなんだったかな」

私は、ブラックファイルを開いて、確認する。

私と、お祖父様のために。

「次は、麻薬シンジケートの夜会を、潰します、お祖父様」
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