そして少女は兵器を討つ
「私は……」

だけどだ。

外へ出てしまった血の一滴一滴を、私は感知する。

私の感覚が、血とともに空間へ広がっていく。

私の知覚世界は今や、周囲に蔓延る鉄パイプや金網、怒気盛んな男達を丸飲みにしていた。

思う。この世界から、私はまだ、生きていたいと。

思って、

「私は、生きる」

それを口にし、また実行する。

直後、私の意識が覚醒し、具現化した。

赤い霧が、視界を埋め尽くす。

「おい! なんだこりゃ!? なにがどうなってやがる!!」

男の、うるさい怒鳴り声。

うろたえた一団からは、銃撃の嵐もやむ。

私は、目を閉じた。

世界を、闇に預ける。

まぶた一枚、隔てた向こうで。

ジュアアアアアアア――!!

「っ!? ぐぁああぁあぁがあぁぁあ゛あああ!?」

生者を飲む凄絶な熱気が、沸き起こった。

胸の焼けるような高温を、周囲に感じる。

その高温は私であり、私の感覚は、十人はいた男達を溶かしていく。

蒸発させていく。
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