そして少女は兵器を討つ
レッドはスカーレットへ。

濃度を増した霧は数秒間宙を漂い、私へと還る。

身を蕩けさせる熱が、喉を潤し、欠けた肉体を満たし、私の生となる。

「あ、ぁ、は、ぁぁ……」

背筋を伝うエクスタシーに、自然と全身の力が抜けた。口が、ポカンと開いていたかもしれない。

頬から芯から心から温まる快楽を、いい加減のところで切り上げて、瞳を開く。

硬い堅い鉄の通路には、白い灰がほんの少し。

私はそれを踏んで進んだ。行く先には、丸い小窓のついた黒い扉。

ノブに手をかける。鍵はかかっていない。

開ける。
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