そして少女は兵器を討つ
「化け物でないとしたら、何者だ?」
「私は、ミリアリア」
「……聞いたこと、ないね。ほかに名前は?」
「ほかに?」
薄い壁に当たったように立ち止まると、男は肩をすくめた。
「誰かに本来の名前以外で呼ばれたことはないかい? そう、二つ名、と言うべきか」
本来の名前、以外で……?
「……――レット……」
「うん?」
「スカーレットと、呼ばれる」
呟きを拾われ、二度目、はっきり答えると、男は笑った。
失笑だった。
「スカーレット! 血溜まりの子猫ちゃん!! ははっ、納得したよ。鷹眼のミスターが飼ってる小さな死神が来たのか! そうかっ、ははははっ!!」
その笑いは、男が、ここで倒れることを予測しての、ひどく自虐めいたものだった。
そう、あくまでも男が男を虐げた言葉。
「私は、ミリアリア」
「……聞いたこと、ないね。ほかに名前は?」
「ほかに?」
薄い壁に当たったように立ち止まると、男は肩をすくめた。
「誰かに本来の名前以外で呼ばれたことはないかい? そう、二つ名、と言うべきか」
本来の名前、以外で……?
「……――レット……」
「うん?」
「スカーレットと、呼ばれる」
呟きを拾われ、二度目、はっきり答えると、男は笑った。
失笑だった。
「スカーレット! 血溜まりの子猫ちゃん!! ははっ、納得したよ。鷹眼のミスターが飼ってる小さな死神が来たのか! そうかっ、ははははっ!!」
その笑いは、男が、ここで倒れることを予測しての、ひどく自虐めいたものだった。
そう、あくまでも男が男を虐げた言葉。