死神のくれたプレリュード
「death.13ch.god」
「13ちゃんねる」
「ニュー速DEATH」
「プロジェクト・霹靂」
1 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
人生の最期の想い出づくり!
[死神]の俺と遊ぼーぜ!
2 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
月城愛さーん!
電子掲示板のような画面が現れ、私の名前が表示された。発信者は[死神]とある。この殺風景な部屋の中で、今私の置かれた状況を理解するための情報源はこのノートパソコンしかないようだった。私は恐る恐る、キーを1つ1つ叩いていった。
「書き込み欄」
「ここはどこですか」
「書き込み」
3 名前:月城愛
ここはどこですか
4 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
死後の世界っすね。
5 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
いや、正確にはまだ完全に亡くなっていないんすよ。はい。
6 名前:月城愛
どういうことですか
7 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
「プロジェクト・霹靂」っすよ!
私は画面の上の方に「プロジェクト・霹靂」という文章があることに気づいた。
8 名前:月城愛
何ですかそれは
9 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
書いてあるとおりさ。
10 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
説明するとなー、
11 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
今、俺のもとには愛さんを含めて4人の自殺者が存在している。愛さんはこれから3人との対話を通して彼らの行った行為が正しかったか否か、つまり、彼らは「この世」に戻って生きるべきなのか、「あの世」へ行くべきなのかを決めてもらいたいっつーわけさ。ヒャッホーウ!
なぜかハイテンションな[死神]に少々戸惑った。まずはこの画面の先にいる[死神]について知る必要があると思った。
12 名前:月城愛
あなたは誰ですか
13 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
俺は[死神]さ。人間の生死を司る神様だぜ!フゥーー!
判らないことが多すぎて、何を[死神]に問うべきかも解らなかった私は、まず彼の言う「プロジェクト・霹靂」なるものについて知ることしかできないようだった。
私は彼に問うた。
14 名前:月城愛
決めると、どうなるのですか
15 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
生きるべきって君が判断したら、その人は蘇る。自殺の事実はなくなって、死んだ日の前日から現実世界に戻る。死ぬべきと判断したら、その人は完全に逝くことになる。
16 名前:月城愛
逝った人は、死後の世界へゆくのですか
17 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
んなものはないね。意識というものが完全に消失するからね。
18 名前:月城愛
私は死ぬんですか
19 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
そうね。
この落ち着いた空間の中で生き存えるのも悪くないと思っていたが、ここにいつまでも留まることはできないのだろう。それより、あの地獄に戻らなくて済むことに私は心底安心した。
[死神]との会話で判ったことは、私は死に、そして自殺した人々の生き死にを判断することにされているらしい、ということだった。
そして私は、[死神]の話を拒絶するつもりはなかった ––– 拒否したところで、その任を押し付けられる可能性は大いにあったのだが ––– 。
私のように、自死という道を選んだ人々が、どんな過去を持ち、どんな苦しみを味わってきたのか知って消えるのもいいかなあ、と感じていた。
「13ちゃんねる」
「ニュー速DEATH」
「プロジェクト・霹靂」
1 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
人生の最期の想い出づくり!
[死神]の俺と遊ぼーぜ!
2 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
月城愛さーん!
電子掲示板のような画面が現れ、私の名前が表示された。発信者は[死神]とある。この殺風景な部屋の中で、今私の置かれた状況を理解するための情報源はこのノートパソコンしかないようだった。私は恐る恐る、キーを1つ1つ叩いていった。
「書き込み欄」
「ここはどこですか」
「書き込み」
3 名前:月城愛
ここはどこですか
4 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
死後の世界っすね。
5 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
いや、正確にはまだ完全に亡くなっていないんすよ。はい。
6 名前:月城愛
どういうことですか
7 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
「プロジェクト・霹靂」っすよ!
私は画面の上の方に「プロジェクト・霹靂」という文章があることに気づいた。
8 名前:月城愛
何ですかそれは
9 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
書いてあるとおりさ。
10 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
説明するとなー、
11 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
今、俺のもとには愛さんを含めて4人の自殺者が存在している。愛さんはこれから3人との対話を通して彼らの行った行為が正しかったか否か、つまり、彼らは「この世」に戻って生きるべきなのか、「あの世」へ行くべきなのかを決めてもらいたいっつーわけさ。ヒャッホーウ!
なぜかハイテンションな[死神]に少々戸惑った。まずはこの画面の先にいる[死神]について知る必要があると思った。
12 名前:月城愛
あなたは誰ですか
13 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
俺は[死神]さ。人間の生死を司る神様だぜ!フゥーー!
判らないことが多すぎて、何を[死神]に問うべきかも解らなかった私は、まず彼の言う「プロジェクト・霹靂」なるものについて知ることしかできないようだった。
私は彼に問うた。
14 名前:月城愛
決めると、どうなるのですか
15 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
生きるべきって君が判断したら、その人は蘇る。自殺の事実はなくなって、死んだ日の前日から現実世界に戻る。死ぬべきと判断したら、その人は完全に逝くことになる。
16 名前:月城愛
逝った人は、死後の世界へゆくのですか
17 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
んなものはないね。意識というものが完全に消失するからね。
18 名前:月城愛
私は死ぬんですか
19 名前:以下、13ちゃんねるから[死神]がお送りします
そうね。
この落ち着いた空間の中で生き存えるのも悪くないと思っていたが、ここにいつまでも留まることはできないのだろう。それより、あの地獄に戻らなくて済むことに私は心底安心した。
[死神]との会話で判ったことは、私は死に、そして自殺した人々の生き死にを判断することにされているらしい、ということだった。
そして私は、[死神]の話を拒絶するつもりはなかった ––– 拒否したところで、その任を押し付けられる可能性は大いにあったのだが ––– 。
私のように、自死という道を選んだ人々が、どんな過去を持ち、どんな苦しみを味わってきたのか知って消えるのもいいかなあ、と感じていた。