俺様社長は、動物愛好家!?(新しく修正終了)
「いいじゃないのよ?結婚すれば。
イケメン、社長で高収入……まさに玉の輿じゃん」
「麻美まで同じこと言う……」
私は、会社帰りに駅近くにある居酒屋で
親友の武田麻美(たけだ あさみ)に
愚痴を聞いてもらっていた。
ちなみに麻美は、違う会社で働いている。
「逆に何が不満なのよ?
そんな条件があった男なんて
探してもなかなか居ないわよ?」
「それは……」
不満もそうだがありえないのだ。
付き合っていて……そろそろなら分かる。
でも、社長と面識がほとんどない。
それこそ、社長の好みも趣味すら知らない。
だからこそ不安であり怖いのだ。
何を企んでいるのか分からない。
上手く行き過ぎて悪いことばかり考えしまう。
大体強引過ぎるし……。
「麻美は、社長の怖さを知らないから
とにかく怖くて周りからも恐れられているのよ?
大体……社長は、強引なのよ。
私のこと、ろくに知らないくせに」
ブツブツと文句を言いながらビールを飲んだ。
そうよ……何も知らないくせ。
すると麻美は、ふぅ……とため息を吐いた。
「それを言っちゃったら、美織だって
社長のこと何も知らないじゃない」
「えっ……?」
「社長は、どんな人か私も分からないけど
美織だって、社長のこと何も知らないんでしょ?
もしかしたら会社と私生活は、違うかも知れないし
いい人かも知れない。
私は、悪くないと思うけどなぁ……結婚してからでも
ゆっくりとお互いを知って行くのも」
麻美……。
「付き合って結婚したって今は、離婚する世の中よ。
まずお互いに歩み寄らないと何も始まらないわ」
麻美は、そう言いながらニコッと笑っていた。
確かに……私も社長のことを何も知らない。
知ろうともしていなかった……。