俺様社長は、動物愛好家!?(新しく修正終了)

「あら?もしかしてあなただったの?
なら、改めてはじめまして。
私は、深雪(みゆき)よ。
真那斗とは、幼馴染み兼元フィアンセなの」

元フィアンセ!?
しかも……幼馴染みだなんて
あまりの衝撃で口が塞がらなかった。
そんな話、一言も聞いていない。

「おい、何勝手なことばかり言っているんだ!?
大体なんでお前が、こんなところに居るんだ?
いつ日本に戻ってきたんだ」

「あら、日本に戻ってきたらいけないの?
真那斗が結婚したこと……私に連絡して来ないから
わざわざご挨拶に来てあげたのよ。
それにしても酷いわよ。真那斗ったら」

「いくら決められた政略結婚が嫌だからって
その辺の女と結婚するなんて。
信じられないわ」

激怒する社長と違い深雪さんって人は、
そう言ってきた。政略結婚……?
そ、そんな……。

じゃあ、私と結婚したのは、
政略結婚から逃れるためだったの!?

私は、ショックで持っていたお弁当が入った
ランチバックを落としてしまった。
それが事実なら私ではなくても
誰でも良かったことになる。

「はぁっ?お前……何を言っているんだ?
美織。違う……」

社長は、慌てて何かを言おうとした。
しかし私は、頭が真っ白になり
それ以上何も聞きたくなかった。
慌ててその場から逃げ出してしまった。

「美織!?」

慌てて社長専用のエレベーターに乗り込んだ。
そんな……政略結婚から逃れるために
私と結婚していたなんて……。
何処かで一目惚れされてなんて期待している
自分も居た。でも、違った。

社長は、誰でも良かったの?
私ではなくても…別に。
そう思うとなおさら涙が溢れて止まらなかった。

するとその時だった。
エレベーターが閉まろうとした瞬間
社長が、強引にこじ開けてきた。

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