俺様社長は、動物愛好家!?(新しく修正終了)
そのたびに奏那斗は、泣くのを止めて
手足をバタバタとさせて機嫌よくしてくれるように。
ベルだけではない。
ミチルも同じように鳴いてくれたし
アダムもぐずりだしそうになると
ぬいぐるみやオモチャを持って来ては、
全力であやしてくれた。
皆して奏那斗の面倒を見てくれる。
そのお陰で前よりも育児が大変ではなくなってきた。
私も自分のリズムを取り戻していく。
どうしてなのかしら?
不思議な光景の事を帰宅した社長に話してみた。
「そうか。もしかしたら
ベルもお姉ちゃんとして自覚を持ちだしたのかもな」
「お姉ちゃんとしての……自覚ですか?」
私は、意味が分からずに首を傾げた。
確かにベルは、奏那斗にとっては、
お姉ちゃんみたいなものかしら?うーん。
「あぁ、今までワガママな事をしても通る
お転婆姫だったが大きくなり
奏那斗が産まれたから、このままだといけないと
自覚をし始めたんじゃないのか
アイツも……もう子猫ではないからな」
な、なるほど……。
私は、その言葉に納得した。
確かに子猫だったベルは、もう大人猫の仲間入りだ。
ベルは、お姉ちゃんとして
奏那斗に接してくれていたのね。
意外な真実に私は、深く感激した。
「だが奏那斗にべったりだとベルも
ヤキモチを妬くといけないからな。
仕方がない……たまには、思いっきり遊んでやるか」
社長は、ため息混じりにそう言ってきた。
でも、なんだが嬉しそう。
「私も出来るだけベル達に
寂しい思いをさせないようにしますね」
私は、そう言って笑顔を見せた。
しかし、ベルがお姉ちゃんとして力を発揮したのは、
奏那斗が乳児の間までだった。
1歳過ぎた頃には……。
「うぅっ~!!」