赤い糸〜8年の軌跡〜
優と付き合ってから5ヶ月がたった
喧嘩は絶えなかったが
なんとか仲良くやっていた。

里 「……ねえ美季。あんたらどこまで
いってんの?」

美 「ーーっ!?な、なに急に!?」

里 「だーってそこんとこなんも教えて
くれないじゃーん!!!」

「で?どこまで?」

美 「…どこまでって、ある程度は(ボソ)」

里 「ふ〜〜〜ん(ニヤニヤっ)」

「仲がよろしいのはいいことだ〜」

美 「……そ…うだね…」

里 「…どした?喧嘩中?」

美 「ううん!全然!仲良くやってます!」

ーーそう、仲良くはやってる。
ただ一つ心配なことがある…。

美 「ちょっとトイレ行ってくるね!」

里 「はーい!」

ーージャーーーー

美 「……よう…せい…」

生理予定日を過ぎても来ないし
吐き気が凄いからまさかと思って
調べてみたら…。

ーーどうしよう…優に話さなきゃ…

ーーキーンコーンカーンコーン

優 「美季!帰ろうぜ!」

里 「お!彼氏様の御出迎えですよ〜」

「じゃあまた明日ね!」

美 「バイバイ…。」

「ねえ優…今日優の家行ってもいい?」

優 「あれ?新しいカフェは?」

美 「…あー、それはまた今度でいいや」

優 「…まあいいけど」

ーーガチャっ

優 「ただいま〜」

美 「お邪魔します」

優 「なんかあったん?元気ないけど」

美 「…優、あのね…赤ちゃん…
優との赤ちゃんがいるかも…」

優 「………」

私は言わなきゃよかったと思った。
嫌われないかな、どうしよう
そんなことばかり思ってしまって
優の返事が怖かった。
けれどそんな不安を吹き飛ばす
勢いで優が

ーーガバッ

美 「ーー!?」

ーーギューーーーーっ

優 「やったな!!俺らの子だ!!
まず、えっと、び、病院!?」

力強く抱きしめてくれて
すごく喜んでくれた。そして
こんな優見たことないってぐらい
テンパってた。

美 「…い、いいの?産んでも…」

優 「当たり前だろ!」

嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった

ーーけれども大変なのはこれからだった
考えが浅はかだった私は
怖いものなんてなにもなかった。

私達はそれぞれ両親に話してから
お互いの親も含めて話そうと言って
その日は帰った。

ーーガチャっ

美 「ただいま…」

母・父 「おかえりー」

美 「あのね、2人に話があるの…」

母・父 「???」

ーー私は彼氏がいたことすら
話してなかったからそこから話した

母は呆れ顔。父は今にでも
殴りそうな勢いの雰囲気。

長い沈黙のあと父が

父 「明日夜連れてこい。話は
それからだ」

と、一言言って寝てしまった。

私はすぐ優に連絡した。

ーーピロリンっ

(わかった。明日親と行くわ。)

美 「……」

ーー次の日

学校が終わってから優と
優のお母さんが来た。

優母 「この度は息子が大変
申し訳ございませんでした。」

父 「……結婚はさせません。
子供も諦めてもらいます。」

ーーー!?

優 「…待ってください!僕達は…」

父 「男は16で結婚出来ないんだ!
そんな当たり前のことも知らない
くせに簡単に結婚だの
子供育てていくだの言うのも
いい加減にしろ!

だいたいどうやって生活
していくんだ?高校辞めて
働くってか?
世の中そんな甘くないんだよ!」

優 「……わかりました。諦めます。」

ーー!?

美 「え、優…?待ってよ!ねえ!」

優 「…わりぃ今日は帰るわ」

優母 「失礼します」

ーーバタン

待ってよなんで?
あんなあっさり諦められるの?
なんでよ…優…

美 「お父さん!なんでよ!?
なんであんな言い方するの!?」

父 「…お前の幸せを願ってるからこそだ。
だいたいあの男きちんとした挨拶…」

美 「もういい!!優のこと悪く言わないで
お父さんなんにも分かってないよ!
認めてもらわなくてもいい!」

ーーダッダッダッダッ…バタン!


(優、さっきはお父さんがごめんね
明日学校でもう一度話そ?)

その日は優からの返事はなかった。

ーー次の日

母 「美季…朝ごはんは?ちゃんと食べ…」

美 「……」

ーーバタン

里 「おはよー美季!」

美 「…あ!里奈…おはよ…ごめん
ちょっと優のとこ行ってくる」

里 「う、うん…?」

ーー優まだ来てないのかな……いた!

美 「優!メール見た?昨日のこと…」

優 「…終わりにしよう俺ら」

美 「………え?」

優 「俺は俺なりに考えてたつもりだよ
なのにお前の親にあんな言い方されて
結構ショックだわ。
親と合わねーなら無理だろ…
子供も諦めて堕ろせよな
じゃあな」

ーーえ、なにが起こってるの…?

優と話したあとどうしていたのか
覚えていない。気づいたら家だった。

泣きすぎたのだろうか。
もう涙なんて一滴も出ない。

ーーピロリロリン ピロリロリン

美 「…………はい」

里 「美季?ちゃんと帰れた?
ずっと上の空だったから心配で…
優に聞いたんだけど別れたってなに?」

私は里奈に全部話した。
里奈はただうんうんって聞いてくれた
私は里奈に話し中も涙は出なかった。

次の日からしばらく学校を休んだ。
そしてその間に病院へ行き
あかちゃんとさよならしてきた。

ーー2週間後

久しぶりの学校だ。
あれから両親とも気まずいままで
優からの連絡も一切ない。
食事も喉を通らず激痩せした。

里 「美季ーーーー!!!!おはよーー!!」

里奈だけは相変わらずで
休んでる間もマメに連絡をくれた。

美 「心配かけてごめんね」

里 「少しずつでいいんだよ?里奈が
いるからね?頑張らなくていいよ」

美 「…ありがとう。里奈」

ーーざわざわっ

なんだろう…すごく視線感じる…

ーーピロンっ

??メール?なんだろ?

(淫乱女。恐喝おやじ。人殺し。)

ーー!?なにこれ……
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