白井君の慰め方
「白井君は前からカッコいい!髪切ってから更に素敵になったけど、今も昔も白井君だし!今も昔も変わらない…と思ってたんだけど…三嶋君」
「ん?」
「白井君さ、最近色んな人と仲良くない?」
「まぁ、アイツあんなだけど友達多いし」
「それは知ってるの!白井君はみんなに構われるタイプだって。なんかそうじゃなくて、なんか、なんていうか、白井君側から積極的じゃないかって…」
最近の白井君フィーバーの中、ずっとモヤモヤしていたものが沢山あった。でも全て良い事のはずだから、本人には何も言わなかった。
白井君がカッコ良くて嬉しい。それがみんなに認められて嬉しい。白井君が明るくなって嬉しい。みんなともっと仲良くなって、嬉しい、のが正しい。
「白井は白井で頑張ってるんじゃないんスかね」
「頑張る…」
「だってアイツ、元々そういうキャラじゃないし。それにチヤホヤされて浮かれるタイプでもない」
「じゃあなんで?」
いつものようにクールに受け流してる白井君が見たかった。女子と楽しそうに話したり、手伝ってあげたりする白井君は見たく無かった。白井君はあんまり周りに関心が無いタイプだったはずだし、女子にモテたがるタイプでもない。のに、白井君が変わったように思う。
「何か考えでもあるんじゃね?」
「考え…」
「まぁ、相原さんは気にする事ないでしょ。これが私の彼氏!って、ドヤ顔でもしとけば?」
「してるよ!」
「してんのか」
「でも不安だよ…」
「白井は相原さんへの対応も変わった?」
「…変わらない。ずっと優しい」
白井君は本当に優しい。この間なんて電車で席を譲ってくれたし、押し潰されないように守ってくれた。目が合えば誰といてもすぐ笑ってくれるし、手を繋ぐ回数だって明らかに増えた。大事にされてるという自信はある。