白井君の慰め方
『それは好きな人に見せる相原さんでしょ?』
特別なものとして捉えてくれる人、それが白井君だった。私の一番嫌いでどうしようもないと思っていた部分を、肯定的に捉えてくれて、許してくれた。受け入れてくれた。喜んでくれた。つまりまた、私は彼に慰められたのだ。表面上のものではない、もっともっと奥の部分。人格の部分にまで至って、私は彼に慰められている。
こんなに幸せな事ってある?
にやける顔が治らないまま、また今日も放課後を迎える。勿論、いつもの場所で帰りを待った。白井君は来てくれた、なんと一人で。
「せっかくだから二人で帰りたいから」
どこまでも彼女扱いしてくれる白井君に脱帽だった。私は白井君が好きで、そういう意味で好きで、白井君もそれを喜んでくれて、私達は付き合う事になったのだ。付き合って良いのだ。私の彼氏は白井君ーー冴えない雰囲気の、生真面目で素直で、抜けていて、不器用で…だけどとっても優しい人。そして彼女にとっても甘い人。
私はそんな素敵な人の彼女になった。