白井君の慰め方
「ありがとう、また何かあったらよろしくね」
幸せ一杯の私はもう何があっても幸せの力で乗り越えなれる!なんて、心の中は春の到来に浮かれ上がっていた。
今まで散々気持ち悪い発言をしてきた私にとって、付き合っていると公の場で公表する事自体に何の抵抗も無く、それからはとてつもない早さで噂が広がっていった。全ては私の責任です。
「あ、白井の彼女ー」
と、見ず知らずの人から声を掛けられる事も増えたのだが、そんなものはオールオッケー。褒められている気分ですらある。
白井君の方も特に気にしていないのか、普段の生活は通常通りだった。白井君らしくて流石白井君、好き!となる。ずっと好きになる。白井君が白井君のままで生きてるだけで好き、幸せだ。
それなのに二人の時、いつもいつもいつも以上に白井君は優しくしてくれる。一緒に帰る時もずっと私のくだらない話に優しく微笑んでくれるし、あんまり人に事を気にするのが得意じゃないはずなのに、私の一つ一つをじっと観察するように見ているのは、私の事が分からないのが嫌だからだ、なんて言われたら、照れ臭くても断れない。もうなんかずっと甘やかされ放題みたいな…あ、そうか。これか甘々ってやつか。甘々の本物だ。本当のやつだ。なんて、感動の毎日である。
私のクラスの前を通る白井君と目が合って、手を振った。白井君も手を振り返してくれた。ついでに白井君の周りの男子らも手を振ってきた。君達には振ってないんだけど、まぁそんな事はどうでもいい。
「ねぇねぇ相原さーん、白井のどこがいいのー?」
手を振って来た中の一人から尋ねられた。
「全部です」
当然の答えを一切の迷い無く答える。