本命同盟

「何馬鹿みたいなこと言ってんのよ。んなわけないでしょ」



わたしも知らないけどね。


しょぼんとした直人を軽くあしらって和馬の方を向く。


「ほら、こんなバカほっといて教室行きましょ。」


和馬はちょっと意地悪そうな顔をして笑った。


「そうだね。行こうか。」


「おいぃ、なんで俺をおいてこーとすんだよー」


それはあんたがあほすぎて話にならないから。


なんて、心でつぶやく。


「またやってる。」


後ろから声が聞こえて振り返ると、そこには可愛らしい女の子が立っていた。


「みずほ。おはよう。」


彼女はみずほ。


私の親友です。


この美貌でいったいどれだけの人を惑わせてきたのやら。