本命同盟
お風呂に入って、タオルを首にかけた状態でドライヤーを手に取った。


生暖かい風が髪をなびかせる。




中学生のとき、私は自分が不幸な人間だと思ってた。


家族はばらばらだし、唯一、一緒にいてくれたあの人はもういない。


孤独で、寂しさに押しつぶされそうになったときもあった。


それでも、私がここに居るのは、みずほが隣にいてくれたからだった。


学校に行けば、明るくて楽しい日常が待っていて、授業は退屈だけど、みんなと笑い合える日々があった。


たとえ何も言えなくても、ただのそんな毎日が私を支えてくれていた。


もし、隣にみずほがいなくて、楽しい学校生活がなかったら、私は死んでいたのかもしれない。


私は自分の部屋に入ってベットにもぐった。



窓からは月の光がわずかに差し込んで部屋を薄暗く照らしていた。








< 52 / 95 >

この作品をシェア

pagetop