本命同盟
あの優しい笑みで私がどれだけ救われていたのか、みずほはきっと知らない。


だからこそ、みずほには言えない。


ホントに大事なことをちゃんと口に出せないでいる。


だけど、みずほは何も言えなくても、何も知らなくても、辛い事に気づいてそばにいてくれる。


私のことを待っていてくれる。


私にとってかけがえのない存在なんだ。





「はあ・・・」


もっと、素直になりたいな。


だけど、素直になりたくない気持ちがあるのも確かだった。




そんなことを思いながら私は目を閉じた。
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