本命同盟
「急に何よ。私は別にそんなんじゃないって。」


いつまでたっても素直になれなくて、ほんとの気持ちは一ミリだって外に出せない。


「だってよ、柚葉は意外と奥手で?俺だってみずほを前にすると緊張しちまうってか。あいつらの間にすら俺ら、はいれてねえじゃん。」



妙に真剣な直人の言葉が図星過ぎて息がつまる。





そうだ、弱気になりすぎて和馬との距離はいつも一定なんだ。



でも、私はこれ以上和馬に近づけない。



そばにいたら苦しいし、辛い。


みずほのようやく見つけた安心できる居場所を私が奪うような真似は出来ない。


「・・私は別にそんな事、望んでないから。直人のことは頑張れって思うけど、応援はしないよ。」


< 63 / 95 >

この作品をシェア

pagetop