本命同盟

ただ、悔しかった。


直人がこんなにも必死でみずほへの気持ちを言葉に出せることが。



羨ましくて、私には手が届かないようなその場所に、直人はつかみ取ろうともがいてる。



見てるこっちが苦しくなるくらい、まっすぐ揺らぐことのない気持ちを。

ずっと向け続けている。





私だって、ほんとは、ほんとは、もっと和馬にまっすぐ、素直でいたいんだ。



優しく微笑んだ顔も、困ったときに手を差し伸べてくれるさりげない行動も、全部、全部、大好きなんだ。



「このまま、ずっと逃げていくのか」



直人の声が私の心を責め立てる。



あの時の光景が目の裏に思い起こされた。