本命同盟
あの日、心に決めたのに。


もう二度とあんなみじめなことはしないって。



逃げないって誓ったのに。


結局、何も変われてないじゃないか。


みずほを守らなかった自分を許せなかったくせに、現実から目を背けた自分が大嫌いだったくせに。



私はまた、逃げるのか。



手のひらをぎゅっと強く握りこんだ。



「・・・まだ、私には何も言えない。」



今の私にはこれしか言えない。


こんなにもはっきりしない自分が嫌で嫌で仕方ない。



「・・・・・分かった。気持にケリがつけられたら言ってくれ。」



その言葉に私は小さくうなずいた。






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