二人を繋ぐ愛の歌
ある意味、貴重な存在かな?
「こんにちはー。
お弁当の配達に来た【多幸】です」
ガラガラとお弁当を山積みにした台車を押しながら目的地の建物の正面玄関の近くにいた少し年配の警備員に話しかけると鋭く怪しげな視線を向けられた。
「【多幸】さん?初めて見る人だけど、新入りの人?」
「はい、臨時の助っ人で来ました嶋川沙弓です。
よろしくお願いします」
そう挨拶しながら与えられた身分証を見せると、やっと納得してくれたのか先程までの表情が嘘のようににこっと優しそうに微笑まれた。
「よろしく。
ここの入り方はわかるかな?」
「いえ、初めてなので分からなくて……良かったら教えてもらえませんか?」
「構わないよ。
まずそこの受付に行って身分証を見せて、それからセキュリティゲートを……」
複雑で難しそうなセキュリティの話を聞き、話が終わったところでお辞儀をしながら丁寧にお礼を言った。
言われた通りに受付にいる笑顔が素敵な美人さんに身分証を見せ、駅の改札口のようになっている厳重なセキュリティゲートを無事に通ると指示された場所まで台車を押す。
途中で見たことがあるようなないような人達と頻繁にすれ違うので、とりあえず目が合う人全員に会釈して歩きながらここ、大手のテレビ局に来ることになってしまった原因となるつい先日の出来事を沙弓は思い出していた。
お弁当の配達に来た【多幸】です」
ガラガラとお弁当を山積みにした台車を押しながら目的地の建物の正面玄関の近くにいた少し年配の警備員に話しかけると鋭く怪しげな視線を向けられた。
「【多幸】さん?初めて見る人だけど、新入りの人?」
「はい、臨時の助っ人で来ました嶋川沙弓です。
よろしくお願いします」
そう挨拶しながら与えられた身分証を見せると、やっと納得してくれたのか先程までの表情が嘘のようににこっと優しそうに微笑まれた。
「よろしく。
ここの入り方はわかるかな?」
「いえ、初めてなので分からなくて……良かったら教えてもらえませんか?」
「構わないよ。
まずそこの受付に行って身分証を見せて、それからセキュリティゲートを……」
複雑で難しそうなセキュリティの話を聞き、話が終わったところでお辞儀をしながら丁寧にお礼を言った。
言われた通りに受付にいる笑顔が素敵な美人さんに身分証を見せ、駅の改札口のようになっている厳重なセキュリティゲートを無事に通ると指示された場所まで台車を押す。
途中で見たことがあるようなないような人達と頻繁にすれ違うので、とりあえず目が合う人全員に会釈して歩きながらここ、大手のテレビ局に来ることになってしまった原因となるつい先日の出来事を沙弓は思い出していた。
< 1 / 284 >