二人を繋ぐ愛の歌
「Shineの曲の中で今までにない感じがすごく新鮮で良い曲でした!でも、これのどこが酷い……」

「CM曲を作ってる時に出来た曲がこれだったんです」

「……それは酷いですね……」

CM曲は楽しくて、心が弾んで、聴いているだけで元気が出るような明るく溌剌とした曲で、正に売り出したい新製品のビネガードリンクのイメージにピッタリだった。
けれどたった今聴いた曲はそれとは全く違うイメージで、激しい恋愛感情に囚われ、揺さぶられ、どちらかと言えばハラハラドキドキしてしまう、そんな曲でビネガードリンクのイメージが潰れてしまうような曲だった。

これがCM曲として作られたものだったとしたら心底酷いと思ってしまった沙弓の心情を察したのか、ハルトはばつが悪そうに然り気無く視線を反らしたのだった。
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