二人を繋ぐ愛の歌
ついにShineが出演するCMが放送となり、会社ではその話題で持ちきりだった。
中でもCM曲がとても良いと評判で、それを聞いて沙弓もどことなく嬉しく感じながら廊下を歩いていると曲がり角で偶然南尾と出会った。
「嶋川さん……」
「あ……こんにちは」
南尾とはあの日から廊下ですれ違うことしかなかったので、いざ会ってしまうとどことなくお互い気まずい空気が流れた。
とりあえず会釈して早くこの場から立ち去ろうとするとその前に南尾が、この前は……。と話しかけてきた。
「え?」
「この前はごめん。
その……勝手に腕を掴んだりして」
そう言って申し訳なさそうに眉を下げて苦笑する南尾に沙弓は慌てて手を左右に振った。
「そんな……気にしないでください。
私も気にしてませんから」
「……気にしてない……か。
あのさ、プライベートな事を聞くけど、あの彼は本当に彼氏じゃないの?」
彼と言われて思い当たるのはただ一人、陽人だ。
沙弓は少し思案するように目線を泳がせるがすぐに小さく口を開いた。
「彼氏……ではないです」
「でも彼は嶋川さんに気があるよね?じゃないとあんな態度とらないだろうし、何よりあんな形で連れ出さないだろうし……」
「南尾さん、この先は本当にプライベートな事なので……」
答えられないと言外にそう含ませると南尾は黙ったがまだ何か言いたげに沙弓を見下ろしていた。
中でもCM曲がとても良いと評判で、それを聞いて沙弓もどことなく嬉しく感じながら廊下を歩いていると曲がり角で偶然南尾と出会った。
「嶋川さん……」
「あ……こんにちは」
南尾とはあの日から廊下ですれ違うことしかなかったので、いざ会ってしまうとどことなくお互い気まずい空気が流れた。
とりあえず会釈して早くこの場から立ち去ろうとするとその前に南尾が、この前は……。と話しかけてきた。
「え?」
「この前はごめん。
その……勝手に腕を掴んだりして」
そう言って申し訳なさそうに眉を下げて苦笑する南尾に沙弓は慌てて手を左右に振った。
「そんな……気にしないでください。
私も気にしてませんから」
「……気にしてない……か。
あのさ、プライベートな事を聞くけど、あの彼は本当に彼氏じゃないの?」
彼と言われて思い当たるのはただ一人、陽人だ。
沙弓は少し思案するように目線を泳がせるがすぐに小さく口を開いた。
「彼氏……ではないです」
「でも彼は嶋川さんに気があるよね?じゃないとあんな態度とらないだろうし、何よりあんな形で連れ出さないだろうし……」
「南尾さん、この先は本当にプライベートな事なので……」
答えられないと言外にそう含ませると南尾は黙ったがまだ何か言いたげに沙弓を見下ろしていた。