二人を繋ぐ愛の歌
「えっと、じゃあ私はこれで……」
「あ、待って!」
早くこの場を去りたい一心で会釈して立ち去ろうとしたけれど、何故か南尾が待ったをかけた。
仕方なくその場に止まり南尾に視線を向けると、南尾は少し考えてから口を開いた。
「彼氏じゃないなら……俺にもまだチャンスはあるかな?」
「チャンスって……」
「嶋川さんの隣に立てるチャンス。
俺にも挑戦させてほしいんだけど」
にこにこと人好きな笑顔を向けられ、さすが営業成績ナンバーワンだと言われたことをなかったことにして一瞬、現実逃避をしてしまった。
けれどすぐに我に返り慌てて南尾にチャンスはないと言おうとしたけれど、その前に南尾が話題を変えてしまった。
「嶋川さんは貰った?Shineのライブチケット」
それは前に陽人が直接渡してくれた関係者席のチケットの事だろう。
沙弓が戸惑いながら頷いてみせると、南尾が俺も貰ったんだと小声で言った。
「社内でもあのCMに携わった極少数しか貰えてなくてさ。
上役でもない……ただCM撮影を見せてもらっただけの俺も貰えるとは思ってなかったよ」
「私も、貰えるとは思ってませんでした」
表向きでは沙弓が渡した試供品が巡りめぐってShineに届いたということになっているが、その元を辿れば南尾がくれた試供品だったのだから一番の立役者かもしれない。
そう思うと南尾がチケットを貰うのは当然かもしれなかった。
「あ、待って!」
早くこの場を去りたい一心で会釈して立ち去ろうとしたけれど、何故か南尾が待ったをかけた。
仕方なくその場に止まり南尾に視線を向けると、南尾は少し考えてから口を開いた。
「彼氏じゃないなら……俺にもまだチャンスはあるかな?」
「チャンスって……」
「嶋川さんの隣に立てるチャンス。
俺にも挑戦させてほしいんだけど」
にこにこと人好きな笑顔を向けられ、さすが営業成績ナンバーワンだと言われたことをなかったことにして一瞬、現実逃避をしてしまった。
けれどすぐに我に返り慌てて南尾にチャンスはないと言おうとしたけれど、その前に南尾が話題を変えてしまった。
「嶋川さんは貰った?Shineのライブチケット」
それは前に陽人が直接渡してくれた関係者席のチケットの事だろう。
沙弓が戸惑いながら頷いてみせると、南尾が俺も貰ったんだと小声で言った。
「社内でもあのCMに携わった極少数しか貰えてなくてさ。
上役でもない……ただCM撮影を見せてもらっただけの俺も貰えるとは思ってなかったよ」
「私も、貰えるとは思ってませんでした」
表向きでは沙弓が渡した試供品が巡りめぐってShineに届いたということになっているが、その元を辿れば南尾がくれた試供品だったのだから一番の立役者かもしれない。
そう思うと南尾がチケットを貰うのは当然かもしれなかった。