二人を繋ぐ愛の歌
「嶋川さん、ちょっといい?」
次の日の昼休み、遥とデスクで弁当を広げていたから昨日化粧室で陰口を言っていた別の部署の綺麗系の先輩とその取り巻きのような人が二人、腕を組んで立っていた。
「……何ですか?」
「あなたに結婚を約束した彼氏がいるって聞いたんだけど本当なのかしら?」
「は……?」
思ってもなかった言葉に思わず気の抜けた声が出てしまった。
結婚の約束なんてした事もなければ彼氏なんてものもいない。
……今は陽人と微妙な関係だけど、わざわざそんなことを言わなくてもいいだろう。
それなのに、結婚を約束した彼氏とは一体どこから聞いた話だと口を開こうとしたらその前に遥が笑顔で立ち上がった。
「そうなんですよー!何でか南尾さんとの事が昨日から話題になってますけど、沙弓にはちゃんとした人がいるんですよ?
会社の人じゃないから誰とまでは言えないですけど、南尾さんとまるっきり正反対のタイプの人でした」
「……彼氏がいるのに南尾さんにまで手を出そうとしてるってこと?」
「そんなわけないじゃないですかー!
沙弓は恋愛初心者なんですよ?二股かけようとしたり、キープする人を作ったりなんて器用なこと絶対出来ませんって!」
眉を潜める先輩達の前でケラケラと笑いながら否定する遥。
とりあえず、とても失礼な事を言われているのを察しながら、沙弓は無言で事のなり行きを見守っていた。
次の日の昼休み、遥とデスクで弁当を広げていたから昨日化粧室で陰口を言っていた別の部署の綺麗系の先輩とその取り巻きのような人が二人、腕を組んで立っていた。
「……何ですか?」
「あなたに結婚を約束した彼氏がいるって聞いたんだけど本当なのかしら?」
「は……?」
思ってもなかった言葉に思わず気の抜けた声が出てしまった。
結婚の約束なんてした事もなければ彼氏なんてものもいない。
……今は陽人と微妙な関係だけど、わざわざそんなことを言わなくてもいいだろう。
それなのに、結婚を約束した彼氏とは一体どこから聞いた話だと口を開こうとしたらその前に遥が笑顔で立ち上がった。
「そうなんですよー!何でか南尾さんとの事が昨日から話題になってますけど、沙弓にはちゃんとした人がいるんですよ?
会社の人じゃないから誰とまでは言えないですけど、南尾さんとまるっきり正反対のタイプの人でした」
「……彼氏がいるのに南尾さんにまで手を出そうとしてるってこと?」
「そんなわけないじゃないですかー!
沙弓は恋愛初心者なんですよ?二股かけようとしたり、キープする人を作ったりなんて器用なこと絶対出来ませんって!」
眉を潜める先輩達の前でケラケラと笑いながら否定する遥。
とりあえず、とても失礼な事を言われているのを察しながら、沙弓は無言で事のなり行きを見守っていた。