二人を繋ぐ愛の歌
「じゃあ嶋川さんが南尾君をたぶらかしたりしているわけじゃないのね?」
真実を見極めようと、じっと見つめる瞳が遥ではなくて自分に突き刺さる。
沙弓は一度だけ頷くと、真っ直ぐその瞳を見つめ返した。
「そんなことしてません。
むしろ、どう対処したらいいのか分からなくて困ってるところです。
確かに南尾さんはいい人だと思いますけど、私には……その……」
陽人がいるしーー。
そう言いそうになり頬に熱が集まったのに気付いて咄嗟に俯くと、先輩達はそんな沙弓の様子に納得してさっきまでの剣呑な表情を和らげて小さく微笑んだ。
「ごめんなさいね、嶋川さん。
ちょっと噂に振り回されたみたい」
「いえ、分かってもらえたなら良かったです」
「最後に一つだけ確認させて?
本当に南尾君には興味がなくて、あなたには社外に婚約者がいるのね?」
正直に言うならそれも違う。
陽人とは両想いであることは分かっていても恋人同士にはなれない微妙な関係であって、婚約などもっての他だった。
けれど今ここでその事を口にしてもまた話がややこしくなるだけだと瞬時に察して、沙弓は内心陽人に謝りながら頷いたのだった。
真実を見極めようと、じっと見つめる瞳が遥ではなくて自分に突き刺さる。
沙弓は一度だけ頷くと、真っ直ぐその瞳を見つめ返した。
「そんなことしてません。
むしろ、どう対処したらいいのか分からなくて困ってるところです。
確かに南尾さんはいい人だと思いますけど、私には……その……」
陽人がいるしーー。
そう言いそうになり頬に熱が集まったのに気付いて咄嗟に俯くと、先輩達はそんな沙弓の様子に納得してさっきまでの剣呑な表情を和らげて小さく微笑んだ。
「ごめんなさいね、嶋川さん。
ちょっと噂に振り回されたみたい」
「いえ、分かってもらえたなら良かったです」
「最後に一つだけ確認させて?
本当に南尾君には興味がなくて、あなたには社外に婚約者がいるのね?」
正直に言うならそれも違う。
陽人とは両想いであることは分かっていても恋人同士にはなれない微妙な関係であって、婚約などもっての他だった。
けれど今ここでその事を口にしてもまた話がややこしくなるだけだと瞬時に察して、沙弓は内心陽人に謝りながら頷いたのだった。