二人を繋ぐ愛の歌
「わかったわ。
それなら、私達がしっかりあなたと南尾君の噂を払拭してあげる」
強気に微笑まれ、胸の辺りまである緩やかなウェーブがかかった髪を片手で後方へ払うと先輩とその取り巻きの人達は颯爽と去って行った。
半ば呆然とその様子を見ていた沙弓は隣で満足そうに頷いている遥に気付き、じとっとした視線を向けた。
「……遥?」
「いやぁ、こんなにすぐ上手くいくと思わなかったけど……とりあえず噂の方はこれで一件落着しそうだね!」
「やっぱり遥が何かしたのね?」
何の悪びれた様子もなくにこにことしている遥に一つ溜め息をつくと、遥は、何言ってるの。と言ってきた。
「会社の人達は私に任せてって言ったじゃない。
言葉通り何とかしてあげただけよ」
「それにしても結婚を約束したとか婚約者とかそんな嘘つかなくたって……」
「私、一言もそんなこと言ってないわよ?」
キョトンとした顔をしながら首を傾げられてつられて首を傾げた。
すると遥は何が面白かったのかクスクス笑いながら口を開いた。
「私は出社してすぐに噂好きの口の軽い秘書課の知り合いにこう言っただけ。
“嶋川沙弓って言う同期の子が南尾さんとの噂で困ってる。社外にちゃんと相手がいるのに”って」
「噂好きの口の軽い秘書……」
「こういう時にすごく頼りになる子よ?」
それでも秘書としてどうなんだろうと呆れてしまったが、実際南尾との噂はすぐに沈下しそうなので黙っていることにした。
それなら、私達がしっかりあなたと南尾君の噂を払拭してあげる」
強気に微笑まれ、胸の辺りまである緩やかなウェーブがかかった髪を片手で後方へ払うと先輩とその取り巻きの人達は颯爽と去って行った。
半ば呆然とその様子を見ていた沙弓は隣で満足そうに頷いている遥に気付き、じとっとした視線を向けた。
「……遥?」
「いやぁ、こんなにすぐ上手くいくと思わなかったけど……とりあえず噂の方はこれで一件落着しそうだね!」
「やっぱり遥が何かしたのね?」
何の悪びれた様子もなくにこにことしている遥に一つ溜め息をつくと、遥は、何言ってるの。と言ってきた。
「会社の人達は私に任せてって言ったじゃない。
言葉通り何とかしてあげただけよ」
「それにしても結婚を約束したとか婚約者とかそんな嘘つかなくたって……」
「私、一言もそんなこと言ってないわよ?」
キョトンとした顔をしながら首を傾げられてつられて首を傾げた。
すると遥は何が面白かったのかクスクス笑いながら口を開いた。
「私は出社してすぐに噂好きの口の軽い秘書課の知り合いにこう言っただけ。
“嶋川沙弓って言う同期の子が南尾さんとの噂で困ってる。社外にちゃんと相手がいるのに”って」
「噂好きの口の軽い秘書……」
「こういう時にすごく頼りになる子よ?」
それでも秘書としてどうなんだろうと呆れてしまったが、実際南尾との噂はすぐに沈下しそうなので黙っていることにした。