二人を繋ぐ愛の歌
『それにしても婚約者ね……まあ、近々そうなるだろうから問題ないけど』
「え……っ!?」
『それより、それで南尾は大人しく引き下がったんだよな?』
「いや……それが……」
言っていいのかどうか悩む内容に沙弓は言葉を濁す。
心配させないように誤魔化す方がいいのか、正直に言った方がいいのかと話すのに躊躇していたら、陽人が沙弓を呼ぶ声が聞こえた。
『後から本当のこと聞かされて大変なことになるより、今本当の事言って。
中途半端な関係にしか出来ない男には心配くらいさせていいんだよ。
……て言うか心配くらいさせて』
その声は本当に本心からそう思ってくれているような声で、瞼を閉じると陽人が長い前髪から時折覗かせる目を細めて優しく微笑んでくれている様子が浮かんできた。
「……ついさっき、南尾さんに陽人との噂は本当なのか聞かれたの。
嘘をついたら陽人にも南尾さんにも悪いと思って、違うって伝えたんだけど、でも私はいつかは……って、ごめん、忘れて!」
南尾に言った言葉まで馬鹿正直に陽人に伝えなくても良かったと今更ながら慌てるが陽人は、いいよ、続けて。と話を促しただけで沙弓は少しだけ肩を落とした。
「え……っ!?」
『それより、それで南尾は大人しく引き下がったんだよな?』
「いや……それが……」
言っていいのかどうか悩む内容に沙弓は言葉を濁す。
心配させないように誤魔化す方がいいのか、正直に言った方がいいのかと話すのに躊躇していたら、陽人が沙弓を呼ぶ声が聞こえた。
『後から本当のこと聞かされて大変なことになるより、今本当の事言って。
中途半端な関係にしか出来ない男には心配くらいさせていいんだよ。
……て言うか心配くらいさせて』
その声は本当に本心からそう思ってくれているような声で、瞼を閉じると陽人が長い前髪から時折覗かせる目を細めて優しく微笑んでくれている様子が浮かんできた。
「……ついさっき、南尾さんに陽人との噂は本当なのか聞かれたの。
嘘をついたら陽人にも南尾さんにも悪いと思って、違うって伝えたんだけど、でも私はいつかは……って、ごめん、忘れて!」
南尾に言った言葉まで馬鹿正直に陽人に伝えなくても良かったと今更ながら慌てるが陽人は、いいよ、続けて。と話を促しただけで沙弓は少しだけ肩を落とした。