二人を繋ぐ愛の歌
「ユウナちゃんは頂点に立つっていう野望を達成した後、長く婚約関係だった隆矢君と結婚できるだろ？
でも、アイドルとしてずっと突っ走ってきたハルト君は野望を達成した後どうなるのかって、そこを二人は心配してるんだよ」

「……余計なお世話なんだけど」

そう言いながらハルトはセットされた髪が乱れないように軽く頭を掻いた。

お人好しだけれどハルトとユウナの事を温かく見守ってくれている母親と、クールだけれど意外と心配症な所がある父親の事を思い浮かべて困ったように微笑んだ。

「本当、余計な世話……」

そんなハルトの様子を見て、拓也は目を細めて微笑んでいた。

「俺もさ、赤ちゃんの時からハルト君達を見てたから勇人達みたいに心配してたんだけど……その必要はなかったのかなってさっきの生放送のトークを聞いて思ったところ。
……誰か、ハルト君を支えてくれそうな人が現れたんじゃないかなって」

「支えてくれるかは分からないけど……とりあえず、本当にそんな人が現れたらどうしても手に入れたいから早く野望を達成するつもりだよ。
だから拓也さん、覚悟しててよね？」

そう言いながら不適に微笑むと拓也は、楽しみに待ってる。と言って嬉しそうに微笑んだ。

きっとこの話は遅からず両親の耳に入るのだろうことを思うとむず痒い気もするが、南尾というライバルが行動を開始しているのでのんびりしていられないとハルトは気を新たに引き締めた。
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