二人を繋ぐ愛の歌
それからのハルトは野望達成の為にと我武者羅に動き続けた。

ライブの合間にもレッスンやトレーニング、テレビの生放送や収録、バラエティーにも出たり雑誌のモデル、インタビューもして普段以上の過密スケジュールだった。

ハルトの働きに付き合わされたユウナは限界寸前で堀原に泣きつき、丸一日の休みをもぎ取ってきたのが沙弓が来るライブの前日。
ハルトが堀原に交渉していた土曜日だった。

「ハルト、絶対の絶対に仕事入れないでよっ!?」

「分かった」

「レッスンもトレーニングもだよ!?入れても私、絶対行かないからね!?」

「分かったって」

怒濤のスケジュールを数ヶ月付き合わされたユウナの休みへの執着は凄まじく、確実に丸一日の休みを得る為なのと目的の達成の為に動いただけだとは言え、何も知らずに巻き込んだのは悪かったかとハルトは苦笑した。

けれど最初は土曜日の休みをあまり快く思っていなかった堀原もユウナの休みを欲する剣幕に圧され渋々了承したので、ハルトの思惑は功を奏し結果オーライだと思っていた。
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