二人を繋ぐ愛の歌
「何でまたそんな事に……あ!もしかして陽人さんが無理矢理言いくるめてきたとか!?」

「そ、そんなことないよっ!私が自分で何も考えずに……いや、考えすぎた結果呼んじゃって……」

「……よく分からないけど、沙弓って本当そういうとこ抜けてるって言うか何と言うか……。
だから南尾さんにも隙をつかれるのよね」

「……返す言葉もありません」

呆れ果てた表情の遥に沙弓は肩を落とし、下がった頭も上げられずにいた。
そんな沙弓に小さく息をつくと遥が、それで?と聞いてきた。

「そんな切羽詰まったような顔してそんな事言ってくるってことは、何か聞きたいことがあるんでしょ?聞くだけなら聞いてあげるけど?」

「遥……!」

「その代わり、陽人さんとのお家デートがどうなったのか、今度包み隠さず教えてもらいますからね?」

にっこりと微笑みながら言われた言葉に沙弓は固まった。

遥のその顔には、嘘は許さないからね?と書かれているようで、沙弓は頬を引きつらせながらも背に腹は代えられないとコクコクと頷いた。

とにもかくにも、ライブツアーで急がしくて連絡もろくに取れずにいた陽人と会えるのだ。
お家デートは緊張するけれども会えることが嬉しい。

沙弓は早速その日の仕事終わりに遥を連れて帰り、部屋の内装などのアドバイスをいろいろ聞いたのだった。
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