二人を繋ぐ愛の歌
「あら、沙弓ちゃん、だぁれその人!」
昼前になり前髪で顔を隠した陽人と電車に乗って【多幸】の弁当を買いに来たのだけれど、店内に入った瞬間に叔母にキラキラとした眼差しを向けられて沙弓は思わずたじろいだ。
「えっと、こちら最近知り合った人で……」
「彼氏さん?彼氏さんなのね!?沙弓ちゃんにもついにお相手が出来たのね!」
「ちょっ……止めてください叔母さん!恥ずかしいですからっ!」
まだ数人客のいる店内で叔母がはしゃいでいる。
その声はばっちりその人達にも聞こえたようで、生暖かい眼差しを向けてくるので余計に恥ずかしかった。
陽人はそのような視線にも慣れているのか全く動じた様子もなく、ただじっと黙ってカウンターに置いてあるメニューを見ていた。
「お、沙弓じゃないか!何だ、また手伝いに来てくれたのか?」
叔母のはしゃいだ声が聞こえたのか奥の厨房から叔父が顔を出して沙弓の横にいる陽人に気付くと、急ぎ足でカウンターまでやってきた。
「沙弓!ついに彼氏が出来たのか!よかったなぁ、お前の父さんと母さんも喜ぶな!
報告はしたのか?なんなら俺がしといても……」
「絶対余計なことはしないでくださいっ!!」
まだ付き合ってもないのにそんなことされたら堪ったものじゃないと沙弓はカウンター越しに身を乗り出して凄む。
そんな沙弓達の様子に周りの客は小さく笑い、陽人は背中を向けて肩を震わせて笑いを堪えていた。
昼前になり前髪で顔を隠した陽人と電車に乗って【多幸】の弁当を買いに来たのだけれど、店内に入った瞬間に叔母にキラキラとした眼差しを向けられて沙弓は思わずたじろいだ。
「えっと、こちら最近知り合った人で……」
「彼氏さん?彼氏さんなのね!?沙弓ちゃんにもついにお相手が出来たのね!」
「ちょっ……止めてください叔母さん!恥ずかしいですからっ!」
まだ数人客のいる店内で叔母がはしゃいでいる。
その声はばっちりその人達にも聞こえたようで、生暖かい眼差しを向けてくるので余計に恥ずかしかった。
陽人はそのような視線にも慣れているのか全く動じた様子もなく、ただじっと黙ってカウンターに置いてあるメニューを見ていた。
「お、沙弓じゃないか!何だ、また手伝いに来てくれたのか?」
叔母のはしゃいだ声が聞こえたのか奥の厨房から叔父が顔を出して沙弓の横にいる陽人に気付くと、急ぎ足でカウンターまでやってきた。
「沙弓!ついに彼氏が出来たのか!よかったなぁ、お前の父さんと母さんも喜ぶな!
報告はしたのか?なんなら俺がしといても……」
「絶対余計なことはしないでくださいっ!!」
まだ付き合ってもないのにそんなことされたら堪ったものじゃないと沙弓はカウンター越しに身を乗り出して凄む。
そんな沙弓達の様子に周りの客は小さく笑い、陽人は背中を向けて肩を震わせて笑いを堪えていた。