二人を繋ぐ愛の歌
その後も暫く真未と話し、残り物だというパンを有り難くいくつか貰って家に帰りつくと、沙弓は何をするよりも早くテレビをつけた。

どこのチャンネルもニュースではShineとKaiserの話で持ちきりなのだけれど、一体どんな挑戦状だったのかとか、Kaiser側の返事はどうなのかといった予想大会が繰り広げられているばかりで肝心の続報はやはり何もなかった。

そんなテレビから目を離した沙弓は鞄からスマホを取り出して通知の確認をするが、チャクシンリレキもメッセージも何もない画面に落胆の溜め息が無意識に溢れ落ちた。

気になって気になって仕方がないけれど、それを沙弓から陽人に連絡して聞くのだけは憚られた。

必要ならば陽人から連絡してくるだろうし、それがないのはまだ時期ではないからだと思う。
それなら沙弓はただ待っていることしか出来ないのだけれど……。

「それが一番もどかしいのよね……」

そう呟くと沙弓はスマホをテーブルに置いて徐に動き出した。

じっとしているから余計なことを考えてしまうのだと自分に言い聞かせるように忙しなく動き、それでも完全に消えない気になって仕方ないモヤモヤした気持ちはハルトのぬいぐるみを抱き締めて眠ることで何とか誤魔化したのだった。
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