二人を繋ぐ愛の歌
「らっしゃい!!空いてる席に……おっ、沙弓じゃないか!久しぶりだな!」
「大将、久しぶり!奥の席いい?」
「おう!どこでも好きなとこ座りな!」
店に入った瞬間に威勢の良い大将の声が聞こえてきて店内はガヤガヤと仕事帰りの中年の人達で賑わっている。
短い会話を終わらせ陽人を見ると、陽人は初めてこのような場所に来たのか物珍しそうに店内を見回していた。
「……店主と親しいね、よく来るの?」
「【多幸】の叔父さんとここの大将が同級生で、私が小さい時からよく連れて来られてたんです。
その馴染みで今でもたまに一人で来てるんですよ。
あ、あと店主じゃなくて大将って呼んであげると喜びます」
そう言うと陽人は了承の意味を込めて頷いた。
沙弓は勝手知ったる感じで店内を歩いてカウンターの方へ移動すると、一番奥の席を手のひらで示した。
「ここが一番人目につきにくいかと……隅っこですけど、いいですか?」
「うん、問題ないよ。
ありがとう」
笑顔でお礼を言いながら陽人は一番端の壁側に座りその隣に沙弓が座るとタイミングを見計らったようにすぐに女将がやって来てカウンター越しに水とお絞りを出してきた。
「沙弓ちゃんが誰か連れて来るなんて珍しいじゃないの!もしかして彼氏?」
「なんだって!?彼氏!?」
「違いますよ女将さん。
大将も一々大声出さないでください」
にっこりと微笑みながら冷やかしてきた女将の言葉に冷静に否定した沙弓は何を頼もうかと正面の壁に掛けられたメニューに目を向けた。
「大将、久しぶり!奥の席いい?」
「おう!どこでも好きなとこ座りな!」
店に入った瞬間に威勢の良い大将の声が聞こえてきて店内はガヤガヤと仕事帰りの中年の人達で賑わっている。
短い会話を終わらせ陽人を見ると、陽人は初めてこのような場所に来たのか物珍しそうに店内を見回していた。
「……店主と親しいね、よく来るの?」
「【多幸】の叔父さんとここの大将が同級生で、私が小さい時からよく連れて来られてたんです。
その馴染みで今でもたまに一人で来てるんですよ。
あ、あと店主じゃなくて大将って呼んであげると喜びます」
そう言うと陽人は了承の意味を込めて頷いた。
沙弓は勝手知ったる感じで店内を歩いてカウンターの方へ移動すると、一番奥の席を手のひらで示した。
「ここが一番人目につきにくいかと……隅っこですけど、いいですか?」
「うん、問題ないよ。
ありがとう」
笑顔でお礼を言いながら陽人は一番端の壁側に座りその隣に沙弓が座るとタイミングを見計らったようにすぐに女将がやって来てカウンター越しに水とお絞りを出してきた。
「沙弓ちゃんが誰か連れて来るなんて珍しいじゃないの!もしかして彼氏?」
「なんだって!?彼氏!?」
「違いますよ女将さん。
大将も一々大声出さないでください」
にっこりと微笑みながら冷やかしてきた女将の言葉に冷静に否定した沙弓は何を頼もうかと正面の壁に掛けられたメニューに目を向けた。