二人を繋ぐ愛の歌
「さて陽人さん、お酒は呑みますか?」
「いや、明日は朝から仕事だから酒は呑まないよ。
あと、こういう所は初めてだから君のお勧めを頼んでいいかな?」
「やっぱり初めてなんですか?物珍しそうにしていたからそうかなぁとは思ってました」
「うん、始めて。
今までの食事に誘ってくる人達って見栄を張りたいのかお洒落な場所ばかりだったんだけど……沙弓はやっぱり意外性もあっていいね」
「それは誉められている気が全くしないですね」
そうか、店の前で笑っていたのは意外な場所に連れてこられたからかと合点がいった。
沙弓はすぐに気を取り直して女将を呼ぶと、いつも頼むものを何品か注文した。
「適当に頼みましたけど、どれも美味しいので気に入ってもらえると思いますよ」
「それは楽しみだな」
そう言いながらもう一度物珍しさからか周りを見回した陽人に沙弓はクスッと笑った。
その気配を察したのか陽人が視線を向けると、沙弓はほんの少しだけ眉を下げた。
「本当に初めてなんですね」
「初めてだよ。
冗談だと思ってた?」
「そうではないですけど……私の周りの人達は小さい時には既に親に連れられて居酒屋デビューしてる人が多かったので。
陽人さんのお父さんはお酒を呑まれない人なんですか?」
「……君は本当に何も知らないんだな」
そう小さく呟いて苦笑する陽人に首を傾げると、陽人は少し考えながらゆっくり口を開いた。
「いや、明日は朝から仕事だから酒は呑まないよ。
あと、こういう所は初めてだから君のお勧めを頼んでいいかな?」
「やっぱり初めてなんですか?物珍しそうにしていたからそうかなぁとは思ってました」
「うん、始めて。
今までの食事に誘ってくる人達って見栄を張りたいのかお洒落な場所ばかりだったんだけど……沙弓はやっぱり意外性もあっていいね」
「それは誉められている気が全くしないですね」
そうか、店の前で笑っていたのは意外な場所に連れてこられたからかと合点がいった。
沙弓はすぐに気を取り直して女将を呼ぶと、いつも頼むものを何品か注文した。
「適当に頼みましたけど、どれも美味しいので気に入ってもらえると思いますよ」
「それは楽しみだな」
そう言いながらもう一度物珍しさからか周りを見回した陽人に沙弓はクスッと笑った。
その気配を察したのか陽人が視線を向けると、沙弓はほんの少しだけ眉を下げた。
「本当に初めてなんですね」
「初めてだよ。
冗談だと思ってた?」
「そうではないですけど……私の周りの人達は小さい時には既に親に連れられて居酒屋デビューしてる人が多かったので。
陽人さんのお父さんはお酒を呑まれない人なんですか?」
「……君は本当に何も知らないんだな」
そう小さく呟いて苦笑する陽人に首を傾げると、陽人は少し考えながらゆっくり口を開いた。