二人を繋ぐ愛の歌
「ハルト、お水まだ私飲んでないから良かったら飲んで?」
「……ありがとう」
コップを受け取ったハルトは余程喉が乾いていたのか一気に水を飲み干した。
ふとマジックミラーの窓を見るとハルトがこの店に入るのを目撃したのか数人の女性がスマホを片手に頬を染めてそわそわしながら外をウロウロしていた。
「ハルトがファンに居場所特定されるの珍しいな。
しかも、もうネットで拡散されてる」
「誰のせいだと……焦ってて変装する時間も惜しかったんだよ」
そう言いながらグシャグシャと髪を掻き乱して前髪で顔を隠し、プライベート姿になった陽人は着ていたリバーシブルのパーカーを脱ぐと引っくり返してまた袖を通した。
素早くて簡単な変装を物珍しく見ていたらと思っ陽人は沙弓の手を掴んでグイッと引っ張った。
突然引っ張られた沙弓は自然と腰が浮くと、そのまま陽人は店内の奥の方へ進んでいく。
「ちょっと、私まだ食べてる途中……」
「今度ご馳走するから……真未さん、残してごめん。
あと裏口借りるね」
「美味しかったクロワッサンアイスが……」
名残惜しく振り返ると座った状態のままの朝陽と真未が何故か温かい笑顔と眼差しで手を振っていて止めてくれる様子はなかった。
そして裏口から出てそのまま表へ出るけれど女性ファン達は一瞬こっちを見ても陽人の外見と服の違いからかすぐに興味を無くしたようにまた店の方へと視線を向けていた。
「……ありがとう」
コップを受け取ったハルトは余程喉が乾いていたのか一気に水を飲み干した。
ふとマジックミラーの窓を見るとハルトがこの店に入るのを目撃したのか数人の女性がスマホを片手に頬を染めてそわそわしながら外をウロウロしていた。
「ハルトがファンに居場所特定されるの珍しいな。
しかも、もうネットで拡散されてる」
「誰のせいだと……焦ってて変装する時間も惜しかったんだよ」
そう言いながらグシャグシャと髪を掻き乱して前髪で顔を隠し、プライベート姿になった陽人は着ていたリバーシブルのパーカーを脱ぐと引っくり返してまた袖を通した。
素早くて簡単な変装を物珍しく見ていたらと思っ陽人は沙弓の手を掴んでグイッと引っ張った。
突然引っ張られた沙弓は自然と腰が浮くと、そのまま陽人は店内の奥の方へ進んでいく。
「ちょっと、私まだ食べてる途中……」
「今度ご馳走するから……真未さん、残してごめん。
あと裏口借りるね」
「美味しかったクロワッサンアイスが……」
名残惜しく振り返ると座った状態のままの朝陽と真未が何故か温かい笑顔と眼差しで手を振っていて止めてくれる様子はなかった。
そして裏口から出てそのまま表へ出るけれど女性ファン達は一瞬こっちを見ても陽人の外見と服の違いからかすぐに興味を無くしたようにまた店の方へと視線を向けていた。