二人を繋ぐ愛の歌
否定したくない
「いただきまーす!」
にこにこと満面の笑みを浮かべながら【多幸】とは違う所の弁当に箸を伸ばし、唐揚げを食べて、美味しいー!と言っているユウナを前に、緊張を隠しきれない様子の南尾を隣に沙弓は遠い目をしていた。
何でこんなことに……。
そう思いながら立っていると、ユウナの隣に座っていたハルトは沙弓達を見上げながら前にある椅子を手のひらで示した。
「お二人の分もありますので、良かったら食べてください」
「ありがとうございます。
では、失礼して……」
椅子と弁当を勧められると南尾は軽く頭を下げて椅子に座った。
沙弓もそれに習って頭を下げてから南尾の隣に座ったのだけれど、その瞬間ハルトの笑顔がほんの一瞬引きつったように感じたような気がした。
チラッとハルトに視線を向けるがそれは気のせいだったかのようにハルトはアイドルのような爽やかな笑顔を浮かべていた。
「今日は我が儘を言って沙弓さんにも来てもらってごめんなさい。
そして、ありがとうございます」
「いえ、大丈夫です。
またお会いできて嬉しいです」
そう沙弓が笑顔で言うとユウナは嬉しそうに微笑んだ。
今日のビネガードリンクのCM撮影には沙弓の会社の人も数人立ち会うことになっていたのだけれど、事務員でしかない沙弓は本当なら来ることがなかった。
しかし、沙弓を気に入ったユウナの希望で、出来ることなら沙弓も見に来て欲しい。と要望があり、それを南尾が“断れるようなものじゃない”と前置きした上で沙弓に伝えてきたのだった。
にこにこと満面の笑みを浮かべながら【多幸】とは違う所の弁当に箸を伸ばし、唐揚げを食べて、美味しいー!と言っているユウナを前に、緊張を隠しきれない様子の南尾を隣に沙弓は遠い目をしていた。
何でこんなことに……。
そう思いながら立っていると、ユウナの隣に座っていたハルトは沙弓達を見上げながら前にある椅子を手のひらで示した。
「お二人の分もありますので、良かったら食べてください」
「ありがとうございます。
では、失礼して……」
椅子と弁当を勧められると南尾は軽く頭を下げて椅子に座った。
沙弓もそれに習って頭を下げてから南尾の隣に座ったのだけれど、その瞬間ハルトの笑顔がほんの一瞬引きつったように感じたような気がした。
チラッとハルトに視線を向けるがそれは気のせいだったかのようにハルトはアイドルのような爽やかな笑顔を浮かべていた。
「今日は我が儘を言って沙弓さんにも来てもらってごめんなさい。
そして、ありがとうございます」
「いえ、大丈夫です。
またお会いできて嬉しいです」
そう沙弓が笑顔で言うとユウナは嬉しそうに微笑んだ。
今日のビネガードリンクのCM撮影には沙弓の会社の人も数人立ち会うことになっていたのだけれど、事務員でしかない沙弓は本当なら来ることがなかった。
しかし、沙弓を気に入ったユウナの希望で、出来ることなら沙弓も見に来て欲しい。と要望があり、それを南尾が“断れるようなものじゃない”と前置きした上で沙弓に伝えてきたのだった。