二人を繋ぐ愛の歌
さっきまではユウナとハルト、二人一緒のバージョンのCMを撮影していたのだけれど、次は一人ずつの撮影になる。
監督に言われるままポーズをとったり動いたりしていたハルトを離れた場所で沙弓と南尾、そして同じ会社の人達で見守る。
「さすがプロだね。
こっちの商品に対するイメージと要望ピッタリに動いてくれてる」
「そうですね……」
撮影中の為、南尾が小声で話しかけてくる声をよく聞き取ろうとして距離も顔も無意識に近づいていた。
その普通では近すぎる距離に気付かない沙弓は撮影中のハルトがこっちを見た時に一瞬眉を寄せた理由が分からず、首を傾げるとカメラマンが撮影していたカメラを止めた。
「ハルト君、今日は疲れ気味かな?
もう少し元気な感じが欲しいんだけど……羽目を外してるような感じで」
そう監督に言われたハルトは沙弓の方から視線を反らし、笑顔で応えていた。
それからは順調に撮影が進んでいたように見えたが、いつもより時間がかかっていたのか周りのスタッフに具合が悪いのかと心配されていた。
「大丈夫です、問題ないですよ」
そう返したハルトは堀原に飲み物を買いに行く旨を伝えるとスタジオを出て行った。
「……南尾さん、私ちょっと飲み物買ってきます」
「え?嶋川さん?」
南尾の声に振り返ることなく沙弓は撮影していたスタジオを出ると近くにあった休憩スペースに向かい、自動販売機で水を買って勢いよく飲んでいたハルトの後ろに立った。
監督に言われるままポーズをとったり動いたりしていたハルトを離れた場所で沙弓と南尾、そして同じ会社の人達で見守る。
「さすがプロだね。
こっちの商品に対するイメージと要望ピッタリに動いてくれてる」
「そうですね……」
撮影中の為、南尾が小声で話しかけてくる声をよく聞き取ろうとして距離も顔も無意識に近づいていた。
その普通では近すぎる距離に気付かない沙弓は撮影中のハルトがこっちを見た時に一瞬眉を寄せた理由が分からず、首を傾げるとカメラマンが撮影していたカメラを止めた。
「ハルト君、今日は疲れ気味かな?
もう少し元気な感じが欲しいんだけど……羽目を外してるような感じで」
そう監督に言われたハルトは沙弓の方から視線を反らし、笑顔で応えていた。
それからは順調に撮影が進んでいたように見えたが、いつもより時間がかかっていたのか周りのスタッフに具合が悪いのかと心配されていた。
「大丈夫です、問題ないですよ」
そう返したハルトは堀原に飲み物を買いに行く旨を伝えるとスタジオを出て行った。
「……南尾さん、私ちょっと飲み物買ってきます」
「え?嶋川さん?」
南尾の声に振り返ることなく沙弓は撮影していたスタジオを出ると近くにあった休憩スペースに向かい、自動販売機で水を買って勢いよく飲んでいたハルトの後ろに立った。