二人を繋ぐ愛の歌
「……お疲れ様」

「ん？お疲れ様、どうしたの？」

「えっと、私もちょっと息抜き……かな？」

そう言いながらぎこちない動きでハルトの隣に並んだ沙弓はお金を入れてから自動販売機を眺め、買う物を決めるととボタンを押した。
出てきた缶を取り出して数回振っているとチラッとこっちを見たハルトは驚いたように目を丸くした。

「えっ……あえてそれを買ったの！？」

「うん、たくさんあるマトモな飲み物の中からの、あえてのコレ」

そうニヤリと笑いながらプルタブを開けると、沙弓はその飲み物……プリンの絵が描かれた飲み物かどうかも怪しい物を飲んだ。

「うん、結構いける気がする」

ハルトが呆気にとられて見ている中、沙弓がそう言って頷くとハルトは吹き出して笑いだした。

「何度もここで休憩してるけど、そんな変わり種買った人は初めて見たよ」

「私は逆に変わり種見かけたら興味本意で買っちゃうかな？お汁粉とかおでんとかお味噌汁とか……」

「それ、もう飲み物じゃないじゃん」

思わずといった感じにハルトが声を出して笑うと廊下を通るスタッフや芸能人が物珍しそうにこっちを見ながら去っていく。
笑いすぎて出てきたらしい涙を拭うハルトの様子を見て沙弓は眉を下げて苦笑すると小さく首を傾げた。
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