二人を繋ぐ愛の歌
撮影が終わると沙弓達はそのまま直帰という形になっていた。
休憩スペースで別れてから南尾はずっと無言で、時折何か考えているような感じだったがそれはユウナの撮影中も仕事が終わりスタジオを出てからも変わらず、たまに沙弓と目が合っても何か言いたげな視線を投げ掛けてくるだけだった。
その事を思い出しながら沙弓は家に帰るとすぐにお風呂に入り、ご飯も食べたら寝るまでの間に遥に借りたShineとKaiserのDVDを見ているとスマホが鳴り出した。
手に取るとそこには最近見慣れた名前が表示されていて、沙弓はいつもと同じように小さく深呼吸してから指をスライドさせた。
「もしもし、陽人?今日はお疲れ様」
『お疲れ様。
あのさ、沙弓はあの後何かなかった?』
何かって何だろう?と少し声を固くしている陽人が何の事を指して言っているのか考えるが、“あの後”に当たるようなことも“何か”が起こるようなこと思い当たらなかった。
「えっと、あの後って何?何かって聞かれても特に何もなかったけど……」
『そう、ならいいんだ』
沙弓の答えを聞いた陽人はさっきと違い明らかにほっとしたような声になっていた。
そんな陽人の様子に今度は沙弓が疑問を持ちかける番だった。
休憩スペースで別れてから南尾はずっと無言で、時折何か考えているような感じだったがそれはユウナの撮影中も仕事が終わりスタジオを出てからも変わらず、たまに沙弓と目が合っても何か言いたげな視線を投げ掛けてくるだけだった。
その事を思い出しながら沙弓は家に帰るとすぐにお風呂に入り、ご飯も食べたら寝るまでの間に遥に借りたShineとKaiserのDVDを見ているとスマホが鳴り出した。
手に取るとそこには最近見慣れた名前が表示されていて、沙弓はいつもと同じように小さく深呼吸してから指をスライドさせた。
「もしもし、陽人?今日はお疲れ様」
『お疲れ様。
あのさ、沙弓はあの後何かなかった?』
何かって何だろう?と少し声を固くしている陽人が何の事を指して言っているのか考えるが、“あの後”に当たるようなことも“何か”が起こるようなこと思い当たらなかった。
「えっと、あの後って何?何かって聞かれても特に何もなかったけど……」
『そう、ならいいんだ』
沙弓の答えを聞いた陽人はさっきと違い明らかにほっとしたような声になっていた。
そんな陽人の様子に今度は沙弓が疑問を持ちかける番だった。