二人を繋ぐ愛の歌
「すごい、美味しいっ!!」

「良い呑みっぷり。
でもこれ結構強い酒みたいだけど大丈夫?」

「大丈夫!実は私ザルみたいで、今まで酔ったことないから。
そう言う陽人は?」

「俺も酒には強いから酔ったことないよ」

「本当!?じゃあ、今度いろんなとこ呑みに行かない!?
あ、えっと、その、私の呑むペースに付き合えないって誰も一緒に行ってくれなくて……」

つい勢いで呑みに誘ってしまった沙弓はどんどん声が小さくなっていき、恥ずかしさのあまり俯いてしまった。

耳が熱くなっているので赤くなっているのかもしれない。
酒のせいだと思ってくれればいいけど……と思いながら恐る恐る顔を上げると陽人は笑顔を見せていた。

「俺で良ければいつでも……とは仕事柄さすがに言えないけど都合のつく日はいいよ、呑みに行こう」

「本当!?約束ね?」

嬉しさのあまり小指を立てて差し出すと、陽人は目を丸くして一瞬固まってから恐る恐る小指を出して沙弓の指と絡めた。

「……これで約束破れないからね?」

自分から誘ってしまった事、指切りなどと子供の約束のような取り交わしをしてしまった事に先程より恥ずかしくなったけれど、また呑みに行く約束が出来たことが素直に嬉しかった。

頬を赤く染めながら未だに絡めたままの小指を見つめていたら小指にほんの少しだけ力がこもった気がしたけれど、それは気のせいではないと思いたかった。
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